Taro Yoshita Exhibition 𠮷田太郎 個展
会期|2025.8.9 sat - 16 sat ( 11 mon & 12 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|9日(土)
*初日は一部予約制となります。
石川県小松市にて110年以上続く九谷焼の伝統的な窯元「錦山窯」に生まれ、現在は家業の制作に携わりながら、独自の感性と発想で個人作家としても精力的に活動されている𠮷田さん。当店では初めての展示会となります。
学生時代、家業とは対照的な「土もの」の焼き物に出会い、土と釉薬、炎が生み出す豊かな表現に衝撃を受けて以来、𠮷田さんは独自の表現を探求し、膨大な研究を重ねてこられました。砂紋のようにグレーと黒が揺らぎながら溶け合う斑ら模様や、貝の螺鈿を思わせる神秘的な白のうつわや花器は、𠮷田さんを象徴する代表的な作品です。滑らかな石を思わせる、しっとりとした質感にもこだわりが感じられます。
伝統工芸を肌で感じる環境の中で、日々インスピレーションを受けながら、ご自身の世界を切り拓いている𠮷田さん。真夏の盛りにふさわしく、創作への情熱を秘めた数々の作品を、ぜひ会場でご覧いただけましたら幸いです。
[ PROFILE ]
𠮷田太郎
1994年 石川県小松市生まれ
2017年 京都精華大学芸術学部素材表現学科陶芸コース卒業
2018年 石川県立技術研修所中退
2018年 錦山窯入社
Takahiro Yahagi Exhibition 矢萩誉大 個展
会期|2025.7.26 sat - 8.2 sat ( 28 mon & 29 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|26日
*初日は一部予約制となります。
山形の雄大な自然に囲まれながら制作をされている矢萩さん。磁器土を用いた繊細かつ技巧的な作品には、山々や光、雪など、自然の神秘的な美しさが映ります。前回の展示では、朝の光にきらめく降り積もった雪のような、清らかで透明感のある白の器を中心にご紹介し、多くの方がその静謐な世界に心を寄せてくださいました。
今展ではそこからさらに表現の幅を広げ、黒化粧や銀彩の作品もお披露目いたします。
夜の冷気と静けさの中に生まれた霜。降り積もる雪を纏う枯れ木の景色。凍てついた空気の中に差す、澄んだ光。白、黒化粧、銀彩——それぞれが重なり合う風景を見ていると、それらは対極ではなく、ひとつの風景の異なる断片であることが見えてきます。どれも同じ世界の中にあり、景色はより深みと奥行きを帯びていきます。
繊細な釉薬の表現と、それに技巧的な造形が合わさることで、自然がもたらす一瞬一瞬の美しさ、その儚さや尊さ、さらには、厳かさや神聖さまでもが感じられ、私たちの内面へと静かに染み入ってくるように思います。ぜひ会場に足をお運びいただけましたら幸いです。
[ PROFILE ]
矢萩誉大 takahiro yahagi
1986年 山形県生まれ
2011年 東北芸術工科大学大学院 修了
2013年 NPO法人山形県デザインネットワーク 勤務
2014年 山形県立山形工業高等学校 非常勤講師
2015年 山形県村山市に工房を開設
Eita Kitayama Exhibition 北山栄太 個展
会期|2025.6.21 sat - 28 sat ( 23 mon & 24 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|21日(土)
木工旋盤との出会いをきっかけに、その世界に一気にのめり込んでいったという北山さん。知らないことを恐れず、むしろ楽しみながら、独学で木工の道を歩んでこられました。
布の染色に用いられる草木染を、木に応用するという独自の手法。 北山さんの代表作である椿で染め上げた作品は、木目が透けるような透明感と奥行きのある黒を纏い、木肌には仄かな艶が上品に光を受け止めます。木でありながら、まるで金属のような静かな強さをたたえ、それでいて、しなやかさと優美さをあわせ持つ独特の表情です。
目を凝らせば、曲線の美しさや細部にまで行き届いた意匠のこだわりに心を奪われ、手に取れば、滑らかな質感と心地よい重心が手のひらに伝わり、作家のものづくりに対する真摯な姿勢と静かな情熱が感じられます。素材選びもこだわり、黒柿などの希少な材に加え、玉杢・バーズアイなどの木が生み出す自然の独特の景色を映す作品も見どころのひとつです。
3年前の二人展を経て、今回が初となる個展です。 時間をかけて、ひとつひとつ丁寧に向き合ってきた作品たちが集います。ぜひ足をお運びいただけましたら幸いです。
[ PROFILE ]
北山栄太
1977年 兵庫県丹波篠山市生まれ
2006年 2級建築士取得。東京にて店舗内装や家具制作等に携わる
2016年 作家活動を開始
2019年 宮城県に制作拠点を移す
川口武亮 展 - 香り衣に満ちて -
会期|2025.5.31 sat - 6.8 sun ( 2 mon & 3 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|1日(日)
*31日は、雨宮ゆかさんによる花活けWSにご参加のお客様のみのご来店となります。作品のご購入も可能です。
昨年、長年構想していた登り窯を完成させ、さらに表現の幅を広げていらっしゃる川口さん。時には外からの情報を遮り、自らの目で見た景色や、心で感じたことを大切に、それらを器に映し出しています。土と釉薬、そして炎が生み出す唯一無二の景色を、作家自身が楽しみながら形にしていることが伝わってくる作品です。
工房の裏山には、奥様が手をかけて育てられた野の花々が咲き、工房内や展示室では、日々川口さんの器にその草花が活けられています。器と花、どちらかが主張することなくひとつの景色として穏やかに調和するのは、きっとそのような日々の環境からくるものなのでしょう。
今回の展示では、挿花家 雨宮ゆかさんをお迎えし、川口さんの花器に草花を活ける会も開催いたします。自然のままに美しく活ける雨宮さんに教わりながら、季節の草花と器の魅力に触れていただけるひとときになることと思います。展示会のタイトルには「香り衣に満ちて」という言葉を添えました。唐の詩人・于良史の「春山夜月」にある一節、「弄花香満衣」から引用したものです。花に触れているうちに、その香りがいつしか衣に移るように、人もまた、よい友や美しいものに触れていると、自然とその影響を受けてゆく——そんな想いを込めています。
季節の草花に触れ、川口さんの器と向き合い、そしてその場に集う方々との語らいを通して、心穏やかな時間をお過ごしいただけましたら幸いです。ぜひ、この機会にお立ち寄りください。
[ PROFILE ]
川口武亮
1974年 佐賀県有田生まれ
2000年 有田窯業大学校ロクロ科絵付科卒業
2001年 番浦史郎氏に師事
2002年 花岡隆氏に師事
2005年 有田にて独立
安齋新・厚子 展
会期|2025.4.12 sat - 19 sat ( 14 mon & 15tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
京都の中心街から離れた山間にある安齋ご夫妻の工房とご自宅。訪ねると、ガラス戸の向こうに、温かなオレンジ色の明かりがぼんやりと灯っています。戸を開けると、ご自身で塗られたという土壁が一面に広がり、その前には、キッチンと食卓が中心に据えられ、器や暮らしの道具が心地よく並んでいます。料理をする時間、家族で囲む食事の時間、「暮らす」ということを大切にされていることが伝わってきます。
古い民家に少しずつ手を入れながら、理想の暮らしに近づけていく過程も楽しんでいらっしゃる安齋さん。古いものと新しいもの、日本のものと海外のものが調和している穏やかな空間です。安齋さんの器もまた、そんな空気をまとっています。古い陶磁器からインスピレーションを受けながら、静かでありながら温かく、古典的な趣の中にどこかモダンな印象もあり、凛とした中に感じるふとした抜け感も絶妙です。
昨年のグループ展を経て、今回が初の個展となります。器を中心とした展示会ですが、ご案内状の写真に写るような、野焼きの風合い豊かなチャーミングな置物や陽刻が美しく施された古物のような風合いの盒子など、最近手がけられている器以外の作品もご覧いただけます。木々の若葉が一斉に芽吹く季節となりました。ぜひ、安齋さんの器の世界に触れにいらしてください。
[ PROFILE ]
安齋新
1971年 東京都生まれ
1998年 佐賀県立有田窯業大学校轆轤科 本科卒業
2006年 共同で制作を始める 石川県加賀市大聖寺に共に移住
2019年 京都北部に移住
安齋厚子
1974年 京都市生まれ
1996年〜99年 寄神宗美氏に師事
2003年 京都市工業試験場専修科卒業
2006年 共同で制作を始める 石川県加賀市大聖寺に共に移住
2019年 京都北部に移住