Eita Kitayama Exhibition 北山栄太 個展
会期|2025.6.21 sat - 28 sat ( 23 mon & 24 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|21日(土)
木工旋盤との出会いをきっかけに、その世界に一気にのめり込んでいったという北山さん。知らないことを恐れず、むしろ楽しみながら、独学で木工の道を歩んでこられました。
布の染色に用いられる草木染を、木に応用するという独自の手法。 北山さんの代表作である椿で染め上げた作品は、木目が透けるような透明感と奥行きのある黒を纏い、木肌には仄かな艶が上品に光を受け止めます。木でありながら、まるで金属のような静かな強さをたたえ、それでいて、しなやかさと優美さをあわせ持つ独特の表情です。
目を凝らせば、曲線の美しさや細部にまで行き届いた意匠のこだわりに心を奪われ、手に取れば、滑らかな質感と心地よい重心が手のひらに伝わり、作家のものづくりに対する真摯な姿勢と静かな情熱が感じられます。素材選びもこだわり、黒柿などの希少な材に加え、玉杢・バーズアイなどの木が生み出す自然の独特の景色を映す作品も見どころのひとつです。
3年前の二人展を経て、今回が初となる個展です。 時間をかけて、ひとつひとつ丁寧に向き合ってきた作品たちが集います。ぜひ足をお運びいただけましたら幸いです。
[ PROFILE ]
北山栄太
1977年 兵庫県丹波篠山市生まれ
2006年 2級建築士取得。東京にて店舗内装や家具制作等に携わる
2016年 作家活動を開始
2019年 宮城県に制作拠点を移す
川口武亮 展 - 香り衣に満ちて -
会期|2025.5.31 sat - 6.8 sun ( 2 mon & 3 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
作家在廊|1日(日)
*31日は、雨宮ゆかさんによる花活けWSにご参加のお客様のみのご来店となります。作品のご購入も可能です。
昨年、長年構想していた登り窯を完成させ、さらに表現の幅を広げていらっしゃる川口さん。時には外からの情報を遮り、自らの目で見た景色や、心で感じたことを大切に、それらを器に映し出しています。土と釉薬、そして炎が生み出す唯一無二の景色を、作家自身が楽しみながら形にしていることが伝わってくる作品です。
工房の裏山には、奥様が手をかけて育てられた野の花々が咲き、工房内や展示室では、日々川口さんの器にその草花が活けられています。器と花、どちらかが主張することなくひとつの景色として穏やかに調和するのは、きっとそのような日々の環境からくるものなのでしょう。
今回の展示では、挿花家 雨宮ゆかさんをお迎えし、川口さんの花器に草花を活ける会も開催いたします。自然のままに美しく活ける雨宮さんに教わりながら、季節の草花と器の魅力に触れていただけるひとときになることと思います。展示会のタイトルには「香り衣に満ちて」という言葉を添えました。唐の詩人・于良史の「春山夜月」にある一節、「弄花香満衣」から引用したものです。花に触れているうちに、その香りがいつしか衣に移るように、人もまた、よい友や美しいものに触れていると、自然とその影響を受けてゆく——そんな想いを込めています。
季節の草花に触れ、川口さんの器と向き合い、そしてその場に集う方々との語らいを通して、心穏やかな時間をお過ごしいただけましたら幸いです。ぜひ、この機会にお立ち寄りください。
[ PROFILE ]
川口武亮
1974年 佐賀県有田生まれ
2000年 有田窯業大学校ロクロ科絵付科卒業
2001年 番浦史郎氏に師事
2002年 花岡隆氏に師事
2005年 有田にて独立
安齋新・厚子 展
会期|2025.4.12 sat - 19 sat ( 14 mon & 15tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
京都の中心街から離れた山間にある安齋ご夫妻の工房とご自宅。訪ねると、ガラス戸の向こうに、温かなオレンジ色の明かりがぼんやりと灯っています。戸を開けると、ご自身で塗られたという土壁が一面に広がり、その前には、キッチンと食卓が中心に据えられ、器や暮らしの道具が心地よく並んでいます。料理をする時間、家族で囲む食事の時間、「暮らす」ということを大切にされていることが伝わってきます。
古い民家に少しずつ手を入れながら、理想の暮らしに近づけていく過程も楽しんでいらっしゃる安齋さん。古いものと新しいもの、日本のものと海外のものが調和している穏やかな空間です。安齋さんの器もまた、そんな空気をまとっています。古い陶磁器からインスピレーションを受けながら、静かでありながら温かく、古典的な趣の中にどこかモダンな印象もあり、凛とした中に感じるふとした抜け感も絶妙です。
昨年のグループ展を経て、今回が初の個展となります。器を中心とした展示会ですが、ご案内状の写真に写るような、野焼きの風合い豊かなチャーミングな置物や陽刻が美しく施された古物のような風合いの盒子など、最近手がけられている器以外の作品もご覧いただけます。木々の若葉が一斉に芽吹く季節となりました。ぜひ、安齋さんの器の世界に触れにいらしてください。
[ PROFILE ]
安齋新
1971年 東京都生まれ
1998年 佐賀県立有田窯業大学校轆轤科 本科卒業
2006年 共同で制作を始める 石川県加賀市大聖寺に共に移住
2019年 京都北部に移住
安齋厚子
1974年 京都市生まれ
1996年〜99年 寄神宗美氏に師事
2003年 京都市工業試験場専修科卒業
2006年 共同で制作を始める 石川県加賀市大聖寺に共に移住
2019年 京都北部に移住
「 観測と庭 」 瀬川辰馬 鈴木絵里加
会期|2025.3.15 sat - 22 sat ( 17 mon & 18 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
多治見市陶磁器意匠研究所の同期である瀬川さんと鈴木さん。
「観測と庭」というタイトルは、2013年にお二人が初めて多治見の貸しギャラリーで二人展を開催した時のもので、 瀬川さんは「観測」、鈴木さんは「庭」と、それぞれご自身の作品のニュアンスを名付けたタイトルです。
冷静で科学的、そして天文学のような哲学や神秘を感じさせる瀬川さんの「観測」と、
有機的で伸びやか、自由で感覚的な表現と空間の広がりを想像させる鈴木さんの「庭」
前回の二人展から2年が経ち、お二人の現在の作品を改めて見ると、より一層その個性が対照的に映し出されているように思い、同時に、根付いている哲学は変わらず一貫していることも伝わってきます。
お二人の共演によって、陶芸が持つ多面的な魅力がそれぞれの視点で示され、非常に興味深い展示会になることと思います。ぜひ会場にお立ち寄りいただき、お二人の作品から生まれる対話をお楽しみください。
瀬川辰馬 segawa tatsuma
1988 神奈川県生まれ
2011 慶応義塾大学環境情報学部卒業
2014 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2014 東京千住にアトリエを構える
鈴木絵里加 suzuki erica
1985 千葉県生まれ
2008 日本大学芸術学部 デザイン学科建築デザインコース卒業
2014 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2014 東京世田谷にアトリエを構え「SŌK」の屋号で活動
KENJI OMORI EXHIBITION 大森健司 個展
会期|2025.2.22 sat - 3.1 sat ( 24 mon & 25 tue 休 )
時間|12:00 - 17:00
化粧土をまとわせ焼成し、剥がすことで現れる、土の素顔。
さらさらとした手触り、ざっくりとした表情、しっとりとした滑らかさ――
大森さんが追求する土の表情が、そこに引き出されています。静かで端正な美しいフォルムは、その土という素材の心地よさを一層際立たせているように感じます。
原始的な要素と洗練された都会的な雰囲気が共存する大森さんの作品。
置くと、空間と響き合いながら佇み、その場に新たな表情をもたらします。
それは、建築を学び、オブジェの制作に携わってきた大森さんならではの、独自の感性によって生み出されたものです。
芽吹く草木が季節の移ろいを告げる頃となりました。
大森さんの作品もまた、日々の暮らしに静かに寄り添い、新たな感覚をもたらしてくれることでしょう。ぜひ店頭でお手に取り、その表情を感じてみてください。
[ PROFILE ]
大森健司 Omori Kenji
1982年 埼玉県生まれ
2005年 東京造形大学環境デザイン専攻卒業
2007年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
同年 岐阜県多治見市にて制作開始
2021年 岡山市へ制作拠点を移す